ナパバレーの歴史を刻むワイナリー：メリーヴェール・ヴィンヤーズ

ナパバレーを代表するワイナリーの一つであるメリーヴェール・ヴィンヤーズ（Merryvale Vineyards）。歴史の重みを感じさせるワイナリーの建物も美しく、周囲には有名ワイナリーやレストランも多くあります。ぜひ立ち寄っていただいたいワイナリーです。

歴史

1933年、「サニーヒル・ワイナリー」としてスタートしてワイナリーは、禁酒法廃止後、ナパで最初に建設されたワイナリーの一つでした。あのロバート・モンダヴィと弟のピーター・モンダヴィが父のセザール・モンダヴィとともにワイン造りを始めたのがこのワイナリーです。

その後1980年代に入り、起業家として成功を収めていたビル・ハーランが、不動産事業のパートナーたちと共に立ち上げたのが「メリーヴェール・ヴィンヤーズ」です。ビル・ハーランが、今も「ハーラン・エステート」や「ボンド」を共に手がけているワインメーカーのボブ・レヴィ、コンサルタントのミシェル・ロランと出会ったのがこのワイナリーです。

1986年、醸造施設を所有していなかったメリーヴェールは新たに醸造施設を購入します。それが「サニーヒル・ワイナリー」でした。大規模な改築の後、2つのワイナリーは1つの「メリーヴェール・ヴィンヤーズ」としての歩みをスタートし、今日に至っています。

1990年代初頭、スイス生まれのジャック・シュラッターがメリーヴェールのパートナーに加わりました。何世紀にもわたってワインが文化に不可欠だった祖国ヨーロッパに比べ、カリフォルニアのワイン産業はまだ未発達であったため、ジャックはそこに可能性しか感じていませんでした。息子レネも加わったジャック一家は1996年にメリーヴェールの単独オーナーとなりました。
スイスで生まれた息子のレネは、アメリカで学位を取得し、ヨーロッパで数年働いた後、メリーヴェールに入社しました。偶然にも同じスイスで6代続くワイン生産者の家系に生まれたローレンスと出会い、結婚。現在は、レネとローレンス夫妻のリードのもと、メリーヴェールは少量生産の特別なワインを中心に進化を続けています。

ワイナリー

メリーヴェール・ヴィンヤーズは、サステナビリティを重視したワインづくりへの取り組みに力を入れています。有機農法を採用し、太陽光発電やエネルギー効率の高い施設を導入し、環境への影響を最小限に抑える努力をしています。

また、ワイナリー内の「Cask Room（カスク・ルーム）」は一見の価値があります。歴史ある建物内にあるこの壮大な空間には、石造りの壁に巨大なオーク樽が並べられ、旧世界の荘厳なワイン醸造施設の雰囲気を感じることができます。この場所は、特別なイベントやプライベートな食事会の会場としても利用され、訪問者を魅了しています。

畑

現オーナーのジャック一家は、自分たちが望む高品質のワインを造るには、自分たちでぶどう畑を所有し、耕作することが最善の方法だと考え、セント・ヘレナのプロファイル・ヴィンヤードをはじめとして、マウント・ヴィーダー、クームスヴィルに4つの素晴らしい特徴を持った畑を所有しています。他にも厳選した栽培農家とも契約を結び、テロワールを重視したプレミアム・ワインを造っています。

ワイン

メリーヴェール・ヴィンヤーズのワインは、エレガントでバランスの取れた味わいが特徴です。
フラッグシップワインでもありプレミアムワインでもある、ナパバレーの最高級カベルネ・ソーヴィニヨンを主体とした「Profile（プロフィール）」。やはりGrand Cruで複雑な味わいを楽しめるシャルドネの「シルエット（Silhouette）」。他にも、自社畑のぶどうのみを使用したワイン、限定生産でワイナリーでしか購入できないワインもあります。

テイスティング体験

メリーヴェール・ヴィンヤーズでは、訪問者の多様なニーズに応じたテイスティング体験を提供しています。
ワイナリーでしか味わえないワインを飲めるテイスティング、ナパバレーのテロワールを体験できるテイスティング、ぶどう畑でピクニックランチと共にワインを味わえるテイスティングなどがありますので、ご希望に合ったメニューを見つけてみてください。
テイスティングは予約が推奨されていますが、状況によっては当日ウォークインでも体験することができます。
他にも、結婚式や企業のイベントなど、プライベートなイベントを開催することもできます。

ちょうどお向かいには、有名なハンバーガー店、ゴッツ・ロードサイド本店もあります！
ナパバレーの歴史を感じることのできるメリーヴェール・ヴィンヤーズを、ぜひ訪れてみてください。