せっかくナパバレーに行くのだから、たくさんのワイナリーを巡りたい!そう思いますよね。でも、それぞれになかなかの時間とお金がかかってしまうのが現実です。
ここでは、比較的手の届きやすい、50ドル以下で楽しめるワイナリーを5つピックアップしてみました。訪問先の候補のひとつとして検討してみてください。
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最近のナパバレーでのテイスティングのトレンドは、着席して1時間から90分、専門の担当者の解説を聞きながら3〜6種類のワインを味わうといったものが主流になっています。さらに、フードペアリングやワイナリーツアー、ケーブ(洞窟)やぶどう畑のツアーなども加わると、それに伴い、時間もテイスティングフィーもかさんで行きます。
もう少し気軽なテイスティングを楽しんでみたい。そんな方におすすめの、シンプルで良心的なテイスティングメニューを持ったワイナリーを5つご紹介します。
ドメーヌ・カーネロス
ドメーヌ・カーネロスは、ナパのメインストリート、ハイウェイ29からは少し離れたカーネロスにあります。ソノマからナパへ向かう途中に現れる美しいシャトーは印象的で、多くの人が「映え」写真を撮りに訪れる絶景スポットです。
歴史
ドメーヌ・カーネロスは、1987年に設立された比較的新しいワイナリーです。そのルーツはフランスの名門シャンパーニュメゾン「テタンジェ(Taittinger)」にあります。テタンジェ家はフランスで高品質なシャンパンを作り続けてきました。ある時、ナパバレーのカーネロス地区が本国シャンパーニュに匹敵するスパークリングワインを造るのに最適なテロワールであることを突き止め、アメリカでもトップクラスのスパークリングワインを生み出すため、ドメーヌ・カーネロスを設立しました。
ワイナリー
ドメーヌ・カーネロスといえば、なんといってもその壮大なシャトー(城館)が有名です。この建物は、フランスのロワール地方にあるテタンジェ家の本拠地「シャトー・ド・ラ・マルケリー」にインスパイアされており、ヨーロッパの伝統的な雰囲気を漂わせています。ぶどう畑に囲まれた小高い丘の上に建つシャトーは、その美しさで訪れる人を魅了し、写真撮影の人気スポットとなっています。ウェディングや特別なイベントの会場としても利用されています。
さらに、ワイナリーは環境に配慮したサステナブルな農法を取り入れており、ソーラーパネルを使用した電力供給や、自然に優しいぶどう栽培を行っています。
ドメーヌ・カーネロスのあるカーネロス地域は、冷涼な気候と海風の影響を受けるため、シャルドネやピノ・ノワールの栽培に適しています。特に、日中は温かく夜間は涼しくなる「昼夜の寒暖差」が、ぶどうに豊かな風味と酸味を与え、複雑な味わいのワインが生まれます。
カーネロス地域の土壌は粘土質で排水性が良いため、ぶどうの根が地中深くまで伸び、ミネラル豊富な風味がワインに反映されます。ドメーヌ・カーネロスは、約138ヘクタールの自社畑を所有しており、ここで育てられるシャルドネとピノ・ノワールが、同社のスパークリングワインとスティルワイン(非発泡性ワイン)の基盤となっています。
ワイン
ドメーヌ・カーネロスといえば、やはりスパークリングワインです。フランスのシャンパンハウスによるワイナリーですから、ナパのスパークリングワインの中でも特にシャンパンに近く、華やかでエレガントな風味が特徴です。クラシックなブリュット・キュヴェから華麗なル・レーヴ・ブラン・ド・ブランまで、伝統的なメトード・シャンパーニュ製法で丹念に造られたスパークリングは、多くのワイン愛好家たちから高く評価されています。
また、赤ワインピノ・ノワールも見逃せません。カーネロスの涼しい気候で育ったピノ・ノワールは、チェリーやベリーの豊かな香りと、滑らかなタンニンが特徴で、バランスの取れた味わいを楽しむことができます。
体験
ドメーヌ・カーネロスはワインの品質だけでなく、訪問者体験にも力を入れています。テイスティングルームでは、ゆったりと座りながら美しい景色を眺めつつ、ワインを楽しむことができます。事前予約制で、丁寧なサービスとともに、ペアリングされた軽食やチーズ、さらにはキャビアとともにワインを味わえるテイスティングも人気です。
いくつかの選択肢がある中で、4種類のワインが味わえる2つのテイスティング・フライトは50ドル以下で楽しむことができます。(要予約)
- Sparkling Wine Sampler $40
- Red Wine Sampler $45
ケークブレッド・セラーズ
ケークブレッド・セラーズは、ラザフォードにある家族経営のワイナリーです。子供同伴で楽しめるテイスティングもあり、ワイン造りの文化を次世代に引き継ぐことに力を入れていることでも知られています。
歴史
ケークブレッド・セラーズは1973年に設立されて以来、代々ケークブレッド家によって引き継がれています。創業者であるジャック・ケークブレッドは、著名な写真家としてナパバレーで活躍していた際、その土地の自然の美しさとワイン造りの可能性に魅了されました。そこで、妻のドロレスと共に自らのワイナリーを立ち上げることを決意し、ラザフォードに2エーカーの土地を購入したのが始まりです。
それから50年に渡り、おいしい食事や楽しい仲間と最高の相性を見せる質の高いワインを造ることを目指し、情熱を傾けています。今では、カーネロス、メンドシーノなど16の畑を持ち、冷涼な場所から温暖な場所まで、幅広いワインのポートフォリオを持っています。
持続可能なワイン造りと地域への貢献
ケークブレッド・セラーズは、持続可能な農業と環境保全に熱心に取り組んでいます。1988年には、ナパバレーの中でもいち早くサステナブル農法を採用し、2008年には認証を取得しています。ワイナリー全体がエネルギー効率や水の管理に配慮して設計されており、太陽光発電なども取り入れています。
さらに、ワインの生産にとどまらず、地域社会への貢献にも力を入れています。地元の農家や生産者との協力を通じて、持続可能な農業を支援し、ナパバレー全体の発展に寄与しています。また、ワイン業界における女性の役割を重視し、女性ワインメーカーやスタッフの活躍の場を広げる取り組みも行っています。
ワイン
ケークブレッド・セラーズのワインは、バランスの取れたスタイルと一貫した品質で知られています。赤ワインでは特にカベルネ・ソーヴィニヨンが有名で、力強さと複雑さを併せ持った味わいが特徴です。深いブラックベリーやカシスのアロマに、シルクのようなタンニンと長い余韻が広がります。熟成にも適しており、数年寝かせることでさらに深みが増します。
白ワインでは、シャルドネが高い評価を受けています。カーネロスの冷涼な気候を反映したフレッシュな酸味と、しっかりとした果実味が調和したシャルドネは、バターやトロピカルフルーツのニュアンスを持ち、豊かな余韻が特徴です。
ケークブレッド・セラーズのぶどう畑はナパバレーの中でも様々な地域に広がっているため、ワインに多様なテロワールを反映させることが可能となっています。カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネだけでなく、ピノ・ノワールやメルロー、ソーヴィニヨン・ブランなど、幅広い品種のワインを手がけており、どのワインもその品種特有の個性を引き出すための丁寧なワイン作りが行われています。
体験
ケークブレッド・セラーズでは、訪れる人々には温かいホスピタリティを提供しており、ワインテイスティングのみならず、ワイナリーのツアーやプライベートクッキングクラスなども楽しめます。中でも、地元の食材を活かした料理とともに楽しむワインペアリングは人気があります。
様々なメニューの中で、4種類のワインをテイスティングしながら敷地内を散策するツアーは50ドルで楽しむことができます。(要予約)
- Cakebread Classic Tasting $50
- Family Tasting $45(要問い合わせ)
フロッグス・リープ・ワイナリー
フロッグス・リープ・ワイナリーは、ラザフォードに位置し、オーガニック農法やバイオダイナミック農法に強いこだわりを持ち、持続可能なワイン造りを実践する家族経営のワイナリーです。
歴史
フロッグス・リープ・ワイナリーは1981年に設立されました。創業者のジョン・ウィリアムズは、元々東海岸で農業に従事していた農夫でした。コーネル大学でワイン造りに魅了されたジョンは、1970年代初頭にカリフォルニアに移住し、偉大なワインメーカーたちのもとで指導を受けました。カリフォルニア大学デイビス校で醸造学を学んだ後、ラリー・ターリーと共にカエル養殖場だったFrogs Farmでワイン造りを開始しました。
「フロッグス・リープ」という名前は、このカエル養殖場と、ジョンがキャリアをスタートさせたスタッグスリープ・ワインセラーズ(Stag’s Leap Wine Cellars)にちなんでいます。
持続可能な農業へのこだわり
フロッグス・リープ・ワイナリーは、有機農業への揺るぎないこだわりを持ち続けています。土壌の健康を大切にし、化学肥料や農薬を使用せず、自然環境を尊重した方法でぶどうを育てています。
特に、ドライファーミングには強いこだわりを持っています。これは、灌漑をほとんど行わず自然の降雨に頼ってぶどうを育てる方法で、地中深くまで根を張らせることでぶどうの成長を促進し、結果として、より濃縮された味わいのぶどうが生まれ、深さと複雑さを持つワインになります。
ワイン
フロッグス・リープのワインは、クラシックなスタイルを重んじ、エレガントでバランスのとれた味わいが特徴です。過度に熟成させた果実味よりも、酸味と果実味のバランスを大切にした、フレッシュで上品なワインを造り続けています。
フロッグス・リープのカベルネ・ソーヴィニヨンは、樽香を抑えたスタイルで、果実味と酸味のバランスが良いことで知られています。シャルドネは、樽発酵を抑え、果実のピュアなフレーバーを引き出したクリスプな雰囲気。ジンファンデルは、フロッグス・リープのもう一つの看板ワインです。果実味が豊かでありながらも、洗練された酸味が特徴です。
体験
フロッグス・リープでは、リラックスした雰囲気でテイスティングを楽しむことができます。庭園ツアーでは、フレンドリーなスタッフがワイン造りやフロッグス・リープのこだわりである有機農法などについて丁寧に説明してくれます。こうしたツアーでは、敷地内の豊かな自然をゆっくりと満喫することができます。
ガーデン・バーでのテイスティングは、$40から楽しむことができます。庭園や果樹園、マヤカマスの山を眺めながら、カジュアルなテイスティグを体験することができます。子供やリーシュに繋がれた犬も同伴することができます。(要予約)
- Garden Bar $40〜
ベリンジャー・ヴィンヤーズ
ベリンジャー・ヴィンヤーズは、セント・ヘレナにあります。140年以上の歴史を持つ、アメリカで最も歴史のあるワイナリーの一つです。伝統と革新が調和した多くの人に愛されているワイナリーで、建造物と庭園の美しさでも有名です。
歴史
ベリンジャー・ヴィンヤーズは、1876年に2人のドイツ系移民、ジェイコブ・ベリンジャーとフレデリック・ベリンジャーによって設立されました。彼らはドイツのワイン造りの技術を持ち込み、ナパバレーでそれを発展させ、成功を収めました。
ワイナリー
ベリンジャー・ヴィンヤーズは、その長い歴史と共に、ワイナリー自体がまるで博物館のような雰囲気を持っていることでも知られています。特に有名なのが、1884年に立てられたラインハウス(Rhine House)です。フレデリックの旧邸宅で、マインツ・オン・ザ・ラインにあるベリンジャー家の印象的なドイツの邸宅を模倣して建てられたビクトリア朝建築です。美しい外壁の石造り、ステンドグラスの窓、内装の木製の羽目板が特徴的なこの建物は、現在も訪問者がテイスティングを楽しむことのできる場所として活躍しています。
また、地下にあるワインケーブ(洞窟)も特筆すべきポイントです。ジェイコブが自ら手掘りしたこのケーブは、当時の技術でワインを最高の状態で保存するための工夫が施されており、ワインの熟成に理想的な環境を提供しています。
ワイン
ベリンジャー・ヴィンヤーズは、多彩なラインナップでも知られています。ハウエル・マウンテンやセント・ヘレナなど、複数のAVA(American Viticultural Areas)の畑を所有しており、それぞれの畑が異なる気候や土壌を持っているため、様々なワインを生み出すことが可能なのです。
最も有名なのは、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネですが、他にもメルローやジンファンデルなど、様々な品種のワインを生産しています。
さらに、プライベート・リザーブシリーズとして、特に厳選されたぶどうを使ったワインをリリースしており、これらは世界中のワイン愛好家に愛されています。特に、プライベート・リザーブのカベルネ・ソーヴィニヨンは、複雑なフレーバーと長い余韻があり、ナパバレーの最高級ワインの一つとされています。
体験
ベリンジャー・ヴィンヤードのもう一つの魅力は、ツアーやイベントの充実です。歴史的建造物やワインケーブを巡るガイド付きツアーは、訪れる人々にナパバレーのワイン造りの歴史を感じさせます。年間を通じて様々なイベントが開催されており、特に収穫期には多くの訪問者で賑わいます。
35ドルのレガシー・ケーブ・ツアーの他、ワイン片手に敷地内を散策できるメニューもあり、これは、子供連れや犬も歓迎されています。
- Legacy Cave Tour $35
- Sip & Stroll Around Beringer with A Glass of Wine $20
Beringer Vineyards
2000 Main Street, St. Helena, CA 94574
空き状況によっては予約なしでもテイスティング可能ですが、予約すれば確実です。
ロンバウアー・ヴィンヤーズ
ロンバウアー・ヴィンヤーズは、ナパバレー北部の木々に覆われた丘に位置します。オールド・アメリカン・スタイルのワインを創り続けており、多くの人から愛されているワイナリーです。
歴史
ロンバウアー・ヴィンヤーズは、1980年に設立された家族経営のワイナリーです。創設者のコルナー・ロンバウアーは、ドイツにルーツを持つパイロットでした。コルナーの大叔母であるイルマ・ロンバウアーは、世界的に有名な料理本『The Joy of Cooking』の著者。コルナーは、家族の伝統でもある「食とワインの調和」を追求することに情熱を注ぎました。
持続可能なワイン造り
ロンバウアー・ヴィンヤーズは、ワインの品質に厳しいこだわりを持つだけでなく、サステナビリティ(持続可能性)にも注力しています。土地と地域社会との相互作用がワイン造りの重要な部分であることを認識し、将来の世代のために土地を保護、保全することに力を尽くしています。こうして環境保護に力をいれ、持続可能な農業とエネルギー効率の高い製造方法を採用することは、テロワール(土壌、気候、地形などの自然環境)がぶどうに与える影響を最大限に活かすことにつながり、最高品質のぶどうを生み出すことにもつながっています。
ワイン
ロンバウアー・ヴィンヤーズは、特にその上質なシャルドネで広く知られています。このシャルドネは、バターのような滑らかな舌触りと、オーク樽で熟成されることで生まれるリッチでトーストした風味が特徴です。また、リンゴや洋ナシ、柑橘類のようなフルーティーな香りも広がり、飲みごたえのあるワインとして人気です。
また、カベルネ・ソーヴィニヨンは、ナパバレーの豊かなテロワールを反映した深いフレーバーと、シルキーなタンニンが魅力です。ジンファンデルも、果実味あふれるフルボディでありながら、軽やかな酸味が感じられる絶妙なバランスを持っています。
体験
ロンバウアー・ヴィンヤーズでは、美しいナパバレーの景色と庭園を眺めることができます。ワイナリーのスタッフはとてもフレンドリーで、初心者から専門家まで、ワインに関する質問や解説を丁寧に行ってくれるのも特徴です。
屋外でも屋内でも楽しめるテイスティングは、25ドルからあります。(要予約)
- Hosted Tastings $25
いかがでしょうか。ここでピックアップしたワイナリー以外にも、50ドル以下で楽しめるワイナリーはあります。ご希望に合うワイナリーと巡り会えますように。
ワイナリーやレストランのアレンジもお願いできる、日本語で安心のツアーがあります。購入したワインを日本に発送してくれるサービスもあります。
専用車で行くワイナリー巡り熱気球、サイドカー、自転車、カヤックなど、ナパバレーを満喫できる各種ツアーはこちら!
ナパバレーを楽しむ各種ツアーこのサイトに掲載している情報は、執筆時の最新情報を確認していますが、営業時間や予約が必要か否かなどの要件は随時変わっております。特に、コロナを経て変化が目まぐるしくなっておりますので、現地を訪れる際には必ず、事前に訪問先のホームページなどで最新情報を直接ご確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。