初めてのナパバレー　専門家が選ぶおすすめワイナリー5選

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Robert Mondavi Winery

ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは、ナパバレーの中心、オークヴィルに位置します。ロバート・モンダヴィは、世界のナパバレーワインに対する見方と味わい方を変えた先駆者であり、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは、ナパバレーを象徴するワイナリーなのです。
私は、友人が日本から初めてナパバレーに遊びにきてくれると、ほとんど毎回ここを訪れています。

歴史

ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは、1966年、ロバート・モンダヴィ自身によって設立されました。
1913年、ミネソタ州でイタリア移民の両親のもとに生まれたモンダヴィは、家族がブドウ園を所有していたカリフォルニア州ロダイで育ちました。成長するにつれ、モンダヴィはワイン造りに深い情熱を抱くようになり、ブドウ栽培と醸造学の芸術と科学の追求に没頭するようになりました。
数十年の経験を経て、ナパバレーは世界に通用するワインを造ることができるという可能性を信じ、この地にワイナリーを設立したのです。

ワイン業界への影響

ロバート・モンダヴィがワイン界に与えた影響は計り知れません。白ワインの低温発酵からフレンチオーク樽の使用まで、彼の革新的技術は今では業界のスタンダードとなりました。おそらくそれ以上に重要なのは、「テロワール」という概念。つまりワインの個性は産地に深く影響されるというフランスの考え方に対する彼の信念です。モンダヴィは、ナパバレーがヨーロッパの歴史あるワイン産地に匹敵するワインを生産できると熱烈に信じていたのです。
さらに、モンダヴィは単なるワインメーカーではなく、ナパバレーとアメリカワインの大使でもありました。ナパバレーのワインを宣伝し、他の偉大なワイン産地とのつながりを築くため、彼はあちこちに足を運びました。特に、有名なフランスの醸造家バロン・フィリップ・ド・ロートシルトとパートナーシップを結び、オーパス・ワンを設立したことは、旧世界と新世界のワイン醸造技術の融合を目指した野心的な試みでした。

体験

ロバート・モンダヴィ・ワイナリーでは、スペインの伝道施設にインスパイアされた見事なアーチとタワーの建物とともに、周囲のぶどう畑のパノラマを見渡すことができます。
このワイナリーでは、気軽にワインを楽しみたい人からワイン通の人までが楽しめる、さまざまなツアーやテイスティングを提供しています。ぶどう畑を探検し、ワイン造りの工程を学び、そしてもちろん、このワイナリーの名声を高めた極上のワインをテイスティングすることができます。フラッグシップのカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブから爽やかなフュメ・ブランまで、幅広いラインナップを取り揃えています。

”フュメ・ブラン”は、モンダヴィが造語した言葉。高品質のソーヴィニヨン・ブランを表します。

現在工事中

残念ながら2023年10月現在、オークヴィルにあるワイナリーは改修工事中なのです。その間、ダウンタウンにある特徴的な建物、Arch & Towerでのテイスティングを楽しむことができます。ここでモンダヴィのワインを楽しめるのは今だけです（と思われます）。ぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

Beringer Vineyards

セント・ヘレナにあるベリンジャー・ヴィンヤーズは、美しい庭園と歴史的な建造物を持ち、散策するだけでも気持ちの良い時間が過ごせるワイナリーです。ここは、ナパバレーで最も古い歴史を持つワイナリーのひとつで、アメリカのワイン産業を象徴するシンボルでもあります。
ワインに詳しい人であれば、ナパバレーと言ったらベリンジャー！とまず思い浮かべるワイナリーでもあります。

歴史

ベリンジャー・ヴィンヤーズは、ドイツ移民のジェイコブとフレデリックのベリンジャー兄弟によって1876年に設立されました。ワインへの深い情熱を持った兄弟は、ヨーロッパの伝統的なワイン造りを持ち込み、それをナパのユニークなテロワールと融合させようとしました。
ベリンジャー・エステートには、歴史的なライン・ハウスをはじめとする数々の建築物があります。1884年に建てられたこの美しい邸宅は、手作業で刻まれた石、輸入されたヨーロッパのアートガラス、華麗な木工細工で造られており、ベリンジャー家の職人技へのこだわりを物語っています。現在は、その素晴らしい建物の中でテイスティングを楽しむことができます。

ワイン

ベリンジャー・ヴィンヤーズは、高品質で受賞歴のあるワインを多く造ってきました。そのポートフォリオは、力強いカベルネ・ソーヴィニヨンやベルベットのようなメルローから、生き生きとしたシャルドネや爽やかなソーヴィニヨン・ブランまで、多様な品種に及んでいます。
プライベート・リザーブ・シリーズ、特にカベルネ・ソーヴィニヨンは国際的な賞賛を得ています。ベリンジャーの品質へのこだわりはぶどう畑から始まり、土壌を丁寧に耕し、持続可能な農法を実践することで、それぞれのぶどうの可能性を最大限に引き出しているのです。
ベリンジャーのワイン造りは、伝統と革新の融合でもあります。古くから受け継がれてきた技術を尊重する一方で、ぶどうの表情をより豊かにするための最新の技術や手法も取り入れています。

体験

ベリンジャー・ヴィンヤードでは、初心者からワイン通まで、様々なツアーやテイスティングを楽しむことができます。歴史的なライン・ハウスを探検したり、ワインを完璧に熟成させるための古いケイブ（洞窟）を歩いたり、絵のように美しい風景の中でベリンジャー・ワインの風味を味わうことができます。
庭園を散策しながらのテイスティングは、家族連れでも気軽に楽しむことができます。

V. Sattui Winery

V. サトゥイ・ワイナリーは、ナパバレーの中でも賑やかな中心地にあります。イタリアのエステート・ワイナリーの雰囲気を感じさせられる家族経営の気さくなワイナリーです。

歴史

V. サトゥイ・ワイナリーは、19世紀後半にアメリカにやってきたイタリア系移民のヴィットリオ・サトゥイによって設立されました。彼はサンフランシスコで自家製ワインの販売を始め、その後ナパバレーのセント・ヘレナにワイナリーを開きました。1920年代に禁酒法が施行されワイナリーは操業を停止しましたが、1976年、ヴィットリオの曾孫であるダリオ・サットゥイによって復活し、ワイナリーの歴史に新たな1ページを刻みました。

ワイン

ナパバレーの複数のエステート・ヴィンヤードに広がるV.サトゥイは、多様なテロワールのセレクションを誇り、豊かなワインのラインナップを持っています。力強いカベルネ・ソーヴィニヨンやベルベットのようなメルローから、爽やかなシャルドネやアロマティックなリースリングまで、このワイナリーのポートフォリオは様々な人々の好みに対応しています。

体験

V.サトゥイは、いつも優しい雰囲気で訪れる人を歓迎してくれます。このワイナリーには、初心者からワイン通の方まで楽しめるような、さまざまなテイスティングがあります。歴史的な石造りの建物で受賞歴のあるワインをテイスティングするのもよし、セラーのガイドツアーに参加するもよし、美しい庭園でピクニックを楽しむもよし。何を楽しむかは訪れる人の自由なのです。
特筆すべきは、ワインだけでなく、グルメフードやチーズなども購入できるV.サトゥイ・マーケットプレイスです。ここではピクニックに必要なものはなんでも揃います。自分たちだけのオリジナルランチを購入し、敷地内のピクニックテーブルでのんびりと堪能することができます。小さなお子さんがいても、安心してランチを楽しむことができますね。
ただし、外からの飲食物の持ち込みは禁止となっていますので、その点はご注意ください。

イベント

V.サトゥイでは、ワインのリリースパーティーや収穫のお祝いから、ワインメーカーディナーや会員限定の集まりまで、年間を通して様々なイベントを開催しています。また、ナパバレーのワイナリーでは数少ない、ウェディングやプライベートパーティーを開催することのできるワイナリーとしても有名です。

Domaine Carneros

ドメーヌ・カーネロスは、メインストリートから少し離れたカーネロス地区にあるワイナリーです。ソノマからナパバレーに向かう途中に現れる美しいシャトーは、印象的で美しい絶景スポットです。

歴史

フランスの高級シャンパーニュの代名詞であるテタンジェ家は、ナパバレーのカーネロス地区が、本国シャンパーニュに匹敵するスパークリングワインを造るのに最適なテロワールであることを突き止めました。そして、1980年代後半にワインボウ・グループのコップ・ファミリーとのパートナーシップのもとドメーヌ・カーネロスが設立されました。

シャトー

ドメーヌ・カーネロスのシャトーは、ドメーヌ・カーネロスを象徴する建物でもあります。シャンパーニュ地方にあるテタンジェ家のシャトー・ド・ラ・マルケッテリーからインスピレーションを得たカーネロスのシャトーは、フランスの伝統とカリフォルニアの革新の融合なのです。ぶどう畑に囲まれた小高い丘の上に建つシャトーは、訪れる人々を魅了しています。

ワイン

ドメーヌ・カーネロスは、特にスパークリング品種を中心とした極上のワインを造っています。伝統的な製法 “メトード・トラディショネル “を用いて、複雑さ、エレガンス、深みで賞賛されるスパークリングワインを生産しています。このワイナリーはまた、有名なカーネロス・ピノ・ノワールのような、この地域のテロワールを活かしたスティルワインも造っています。

スティルワインとは、泡立たない＝非発泡性のワインという意味があります。

体験

ドメーヌ・カーネロスでは、ヴィンテージごとのニュアンスを味わうテイスティング・セッションから、ワイン造りの舞台裏を案内するガイド・ツアーまで、ワイン愛好家なら誰もが楽しめる体験が用意されています。周囲のぶどう畑を一望できるシャトーのテラスは、ワインを飲みながらナパバレーの美しさに浸るのに最高のスポットとなっています。

Kenzo Estate

ケンゾー・エステートは、ナパバレーで世界クラスのワインを造るという辻本憲三氏の夢を実現したワイナリーです。日本文化とカリフォルニア文化の融合も見逃せないところです。手付かずの自然の中で出会える野生の動物たちなど、ここでは日常と離れた豊かな時間を過ごすことができます。

歴史

1980年代にビデオゲーム会社カプコンを設立した辻本憲三氏は、1990年代後半、ナパの470万坪もの広大な土地を購入することを決めました。実に、ニューヨークのセントラルパークの5倍もの広さがあります。
マウント・ジョージの南麓に位置するケンゾー・エステートのぶどう畑は、火山性土壌と岩質土壌のユニークな組み合わせと、多様なぶどう品種の栽培に理想的な条件を提供する気候の恩恵を受けた、ぶどう栽培家たちの憧れの土地でした。この土地の可能性を信じた著名なブドウ栽培者デイヴィッド・エイブリューがチームに参加し、他では見ることのできない美しいぶどう畑が作られました。
その後、著名なワインメーカー、ハイディ・バレットもチームに参加。世界最高峰のワインに匹敵するような、優れた、それでいて親しみやすいワインを造り出すことに成功しました。

ワイン

ケンゾー エステートは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドー、ソーヴィニヨン・ブランなどのぶどうを栽培しており、テロワールの特徴を反映した様々なワインを生産しています。
代表的なものをいくつかご紹介します。

紫鈴（りんどう・rindo）

ケンゾー・エステイトのフラッグシップに位置付けされる赤ワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンの力強さと、メルロや他のボルドー品種の繊細さが融合し、深い複雑性とエレガンスを持つワインに仕上がっています。

あさつゆ（asatsuyu）

ケンゾー・エステート唯一の白ワインで、爽やかな酸味と生き生きとした果実味で知られるソーヴィニヨン・ブランです。3年連続、全米でのベスト・オブ・ソーヴィニヨン・ブランに輝いた人気のワインです。

紫（むらさき・murasaki）

メルロを主体としたボルドー右岸スタイルのワインとして高く評価されている赤ワイン。力強さとエレガンスが調和したワインです。

藍（あい・ai）

カベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワイン。柔らかく濃密でありながら滑らかなワインです。

ワイナリー

著名な建築家ハワード・バッケンが監修したワイナリーは、伝統的なカリフォルニアの納屋のスタイルに日本建築を彷彿とさせるクリーンでミニマルなラインが取り入れられた、まさに日本とアメリカの文化の融合象徴となっています。ワイナリーに隣接する丘の斜面に直接造られた熟成用ケイブは、太陽熱を吸収して14〜16度という自然の涼しさを作り出しています。

体験

ケンゾー・エステイトのワインコレクションのテイスティング、美しいぶどう畑やワイナリーのツアー、ツアー＆テイスティングと共に、有名シェフ、トーマス・ケラーの名店「Bouchon」のサンドウィッチを楽しめるものなど、訪問者のニーズに合わせた体験が用意されています。日本語でのツアーを予約することも可能です。